「パーティーといえば、ご馳走を食べて、ケーキを食べて、みんなからお祝いをもらうものだろう?」
お父さんがにこやかに言う。

「みんなって?」
まさか大人数?

「ん、親戚がちょっと集まるくらいだよ」

ちょっとって?

「真那ちゃんもお友達を招待してね」
涼子さんが言う。

「ドレスを用意しなくちゃね!」
楽しそうに涼子さんは続けた。

「ドレスなんて、いいです!」

「でも、主役だし」

「ドレスなんて恥ずかしいです!」

「じゃあ、ワンピースくらいにする?」

「ワンピースなら」
それくらいが私にはちょうどいい。


ワンピースを買いに涼子さんと高そうな~ブティックへ行く。

涼子さんが選ぶワンピースは私から見たら、ワンピースではない。
ドレスだと思う。

私が選ぶワンピースは大人し過ぎるから主役に見えないと涼子さんは言う。

意見が合わず、時間がかかった。