「慎也、疲れた?」

「うん、ちょっとね」
辛そうな表情。


「慎也、部屋まで歩ける?」
涼子さんが心配そうに声を掛ける。

「慎也、背中に乗るか?運ぶぞ」
背中を向けるお父さん。

「父さん…おんぶしてもらう年じゃないよ。ありがとう…肩貸してくれる?」

お父さんの肩につかまって部屋まで歩いて行った。

みんなで後を追う。

「おじゃまします」
背後から声が聞こえた。

髪を後ろで一つに結んだパンツスーツ姿の女の人が入って来た。

あれ?
どこかで会ったことあるような。

医療カバンを持っていた。

あ!

看護師さんだ。
病院で会ったんだ。