次の日、病院から戻ると

「晴斗さんがお見えになっています」と岡本さん。


涼子さんとリビングに行く。

「待たせてごめんなさいね」

ソファーに座っていた男の人が2人振り向いた。

「久しぶり!涼子さん」
先に立ち上がった人が言う。

短めだけど、サイドにウェーブがかかっている髪型で、切れ長の目がかっこいい。


「真那ちゃんだよね?藤原晴斗です。」
私に向かってニコニコする。

爽やかな笑顔にドキッとした。

「はじめまして、真那です」
私も挨拶する。

「小さい頃に会っているからはじめましてじゃないよ」
晴斗は笑った。

会っている?
記憶にない。


「晴斗さん、お隣りの方は?」
涼子さんが首を傾げる。