「慎也?」

「はい!急いでください!」


慎也の部屋に走った。

部屋に入ると慎也が寝ている周りをを医者、看護師、お父さん、涼子さんが囲っていた。


私を見た看護師さんが手を引いて、慎也の横に連れてきてくれた。
部屋に入った途端、私は動けなくなっていた。

慎也の目は開いていなかった。

「慎…也?」

まさか?もう?


「話し掛けてあげてください。意識が戻るかもしれません」

右手は涼子さんが握っていた。
私は左手に触れた。
慎也の手は暖かった。


「慎也、しっかりして。慎也、また話をしようよ」
私は震える声で精一杯話し掛けた。

涼子さんもお父さんも必死に話し掛けた。