浩樹は続ける。

「絶対俺のほうが真那のこと分かってるし、俺のほうが真那と合う」
勝手なことをいう男だ。

「私は瀬尾先生が好きでヒロのことは全然好きではない」

「人の気持ちなんていつ変わるか分からないだろ?」

「ヒロみたいにころころ変わる人は嫌い」
はっきり言わなくちゃ分からないのだろうか。


「分かったよ、でも、俺は真那が好きだから」
堂々とした告白。
呆れた男だ。

「ヒロは強引だよな~諦めも悪いし」
圭太も呆れていた。

その強引なとこに魅かれたこともあった。
でも、その強引さが今はイヤだ。


楽しい食事が出来ると思っていたのに、浩樹のせいで空気は重くなった。
浩樹は全然気にしてないようだけど。


「受験、頑張ろうな。真那と同じ大学に通えるのを楽しみに俺は頑張るよ」

「バイバイ」
私はそれだけ言って別れた。