取り消し?

イヤだ、取り消しされたくない。


「え~落ちたら取り消しなの?」

「フッ、大丈夫だよ。合格出来る。してもらわないと俺も困るから」

瀬尾先生は優しく笑う。

私もつられて微笑んだ。


よし!頑張ろう!


「じゃあ、やる気を入れよう。あと願掛け。合格出来ますように」

瀬尾先生が私の手を引っ張り、抱きしめた。


ビックリして目が丸くなった。

ドキドキ。

私もゆっくりと瀬尾先生の背中に腕を回して、ギュ。

ドキドキが治まってきて、気持ちが落ち着いてきた。

ずっとこのままでいたい。



そのまま数分。


「入ったかな?」

ゆっくりと体が離れる。

「頑張ろうな」

頭を撫でられた。


「うん」