突然お嬢さま!?

「ヒロ」

会いたくない男だ。
でも、この男もここの学校を志望しているんだっけ。

「真那も来てたんだ」
ニコニコしながら話し掛けてくる。

「うん、まあね」

「誰?」
浩樹の隣りにいる男の子が聞く。

「あ~元カノとその家庭教師さん」
嫌な説明の仕方だ。

「あ、こいつは同じ塾の友達でやっぱりここを受ける予定なんだ」

聞いてもいないのに勝手に説明してくるし。

「ふ~ん。瀬尾先生、行こう」
瀬尾先生の手を握る。


「え?2人ってそういう関係になったの?」
浩樹がビックリする。

答えたくないし、話したくないから無視。


浩樹たちが見えなくなるとこまで歩くと…


「元カレと別れたのって真那ちゃんが振ったの?」

「ううん、振られたの」

「そうなの?態度が冷たいから振ったのかと思った。何で振られたの?」

「あたしよりも好きな人が出来たから」

「うわっ、最低な男だな」

「そ、だから話もしたくないの」