「慎也、キリン好きなの?」

「小さい頃、好きだったんだ」

「へえ~何で?」

「首が長くて、足が長くてかっこいいからかな」

キリンが見えて来た。


「あ!キリンに餌あげれるよ。慎也、どうする?」

「ん?真那姉は?」

「あたしはあげる」

「じゃあ、俺も」

私は餌を買って、半分慎也に渡す。


「慎也、大丈夫~?」
涼子さんが笑う。

「小さい時も餌をあげようとしたけど、意外にキリンの顔が大きくて大泣きしたわよね~」
昔話を語る。

「アハッ、慎也ったら泣いたの?」

「小さい時の話だよ」
恥ずかしそうに言う。


餌を見せびらかすとキリンが近付いてきた。

うわ~大きい!

「きゃ~食べた!」
手に持っていた餌が一瞬で消えた。
早業だ。

慎也のとこには別のキリンが寄って来て、やっぱりあっという間に食べた。

「やっぱりでかいな」
慎也が苦笑い。