彼が、恋をしない理由。


私は奏くんと席が隣になった。奏くんは、中学校で陸上部に入っていたとかで、運動は全般好きだと笑顔で話していた。

「それにしても、彩葉ちゃんわかりずぎw」

「え?」

授業中、奏くんがふっと鼻で笑って、思い出したように言った。私はなんのことかさっぱりわからず、間の抜けた返事をする。

すると急に奏くんが私の耳に口を近づけて、ちっちゃな声で言った。

「彩葉ちゃんって、蓮のことすきなんでしょ?」


…え(^^;;

「えぇぇえぇえぇぇえぇ!?」

ガタガタガタガタっ

私はこれでもかという程の大声をあげて、椅子から落っこちた。

「彩葉さん?何してるの?」

先生の一言で私は我に帰り、ハッと周りを見渡す。クラス中の視線が私に集中し、凌はクスクスと笑っていた。

「っ……すいませんっ!」

顔がだんだん熱くなるなか、とりあえず先生に謝って席に座り、奏くんを睨み付けた。

「すごい動揺っぷりww素直だね」

にこり、といつもの笑顔を向けたようが、その笑顔はニタリという悪だくみの笑顔にちがいないと確信した。