彼が、恋をしない理由。


「私も。なんだかいろいろあって疲れちった」

「蓮か」

ニヤリと笑って私を見るその顔は、とても意地悪だった。
私が熱くなる顔を隠そうとすると、ふいに奏くんの手がするりと伸びてきて私の顎をとらえた。

「ふぅ~ん・・・」


顎をくいっと上に向けると、奏くんと目があった。
舐めまわすように、私の顔をジロジロと見ていく。

「ちょっと・・・///」

「待って、だめ」

押し返そうとするけど、奏くんの手ががっちり私を捕らえている。

・・どうしよう

どの辺を見ているのかわからない。背筋がゾクゾクする。
抵抗しようと何度も試みけれど、奏くんは何もなかったかのように、私をジロジロと見るだけ。


「ねぇ、奏くん?」

優しそうな奏くんのイメージが一瞬にして崩れ去る。

怖い・・・!!


「や・・・めてよ」

じわっと涙が溢れ、ぽろぽろと流れていく。
でも、奏くんは流れる私の涙をじっとみて鼻で笑うのだった。

「いいね、その顔。そそられる」

「なっ!!」