彼が、恋をしない理由。


私は何かにとりつかれたかのように、そのリレーを見ていた。
1分もない時間だったけど、本当に食いついた。

「お?どうした凌?」

「お、お兄ちゃん!これ、すごいよっ!」

「凌もやっと陸上のすごさかわかったか!」

「う、うんっ!!」

「さっきのアンカーに食いついてたな・・・会いにいくか?」

お兄ちゃんの思いがけない嬉しい言葉に、私は喜んで頷いた。

「お~っ!山田、おつかれ!」

「ふ~っ、おつかれさまで~す」

「お前のおかげで、うちの妹が陸上にはまったぞ!」

その瞬間、山田くんの視線が私に向けられた。

ドキン。

すぐに視線はそらされたけれど、私の胸がなぜかときめいていた。
私がそのときめきに戸惑っていると、頭の上に手があった。

山田くんは、私を見てニッと笑っていた。

「お~俺のファンか!(笑)凌だよな?陸上、一緒にやろーぜ!」

と私の頭をわしゃわしゃとなでた。

どきどきどきどきどき・・・



その後、山田くんとお兄ちゃんのいる陸上クラブに入った。
そして、山田くんの名前が「隼人」であることを知った。
この感情が「恋」であることも知った。

もろもろあったけれど、結果彩葉と同じように、高校で好きな人に再会したのだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━というわけだ(凌目線終了」