私は記憶を辿りに、気付けば関係者通路を走って居た。

さすがに、ベンチ内には入れない。

けど、攻撃に入った隙に扉を開き、由斗を呼び出した。



「花音!お前、何して――…」



バレたら、試合が中止させられ、出場も停止になるかも知れない事をしてる私を、由斗はトイレへと押し込んだ。

だけど、由斗の説教を今は聞く余裕はない。



「お願い…決め球は一回にして」



肩で息をしながら、私は由斗に言う。