「あっちぃ…;;」



「ちょっと、大丈夫??」



開会式まで後5分程。

なのに、兄貴はベンチに座り、項垂れたまま。

…まさか、熱中症!?

私は開会式より、兄貴の体調を優先し、旅館へ帰る事にした。

もう、テレビで見れば良い。



「二十歳も過ぎた人間が、無理しないでよ」



「想定外の出来事だろ」



部屋に戻るなり、畳に大の字で寝そべる兄貴にお茶を飲ませる。

テレビを点けた頃には、入場も済んで居た。