「寂しい?兄貴」



「お前が居れば、寂しさを越えられる」



「……馬鹿じゃないの」



顔を近付け、男らしく言って来た兄貴。

でも、兄貴にときめくような妹じゃないってわかってる筈なのに、何を言ってるんだか。



「つまんね」



顔を離した兄貴の唇を見て、ふと思い出す。

ファーストキスは、兄貴だったような?

昔の私は馬鹿だったね。

こんな兄貴に、初めて捧げちゃうなんて。

身体をあげたのは、さすがに兄貴じゃなかったけど。

あいつはどうしてるかな。