モヤモヤとする気持ちを堪え、旅館までの残りの道のりを過ごした。

案内された部屋に荷物を運び、まだ寝たがる新太を放って、制服へと着替えた。

部屋にある洗面所で顔を洗い、日焼け止めをたっぷりと塗り、兄貴と球場へと足を運んだ。



「毎年、凄いね…」



人で溢れる様子は、圧巻される。

去年はこの隙間をぬって、中に入ったっけ。

陽射し避けにハンドタオルを頭から被り、開会式を待つ。