「由斗を呼べ!良い話があるんだ!」



「嫌だよ。親子2人で過ごす、最後の年末年始なんだから」



「へぇ。じゃあ家に行く」



「ちょっと!本気で止めてよ」



親子水入らずの時間を邪魔しようとする兄貴に、私は怒鳴ってしまう。



「…喧嘩は止すか。やる気があるなら、1週間以内に、俺へ連絡させてくれ」



「…兄貴…」



兄貴の鞄からは、由斗には持ってこいな求人案内だった。