「――花音、起きたか?」 「由斗…?」 いつ意識を失くしたのか、目を開くと見知らぬ景色が広がった。 白い天井に、薄いグリーンのカーテン。 わかるのは、由斗が私の手を握って座ってる事。 「ここ…」 「病院。倒れたの、覚えてるか?」 「うん…何となく」 由斗は私の頭を撫で、前髪を耳に掛けてくれる。 その右手に、ある筈のモノがない。 …そう言えば…。