寒さを一瞬でも忘れさせてくれるペットボトルを頬に当てる。



「痛っ………」



「…花音?」



「え……痛い…っ」



「花音!花音…っ!!」



家までは直線で100mもない所で、激しい腹痛に見舞われた。

ようやくただの腹痛でない事に気付いた今、意識が遠退いて行く。

お姉ちゃんの声が途切れ途切れで聞こえ、焦点が合わず、顔がわからなくなった。

…心配してくれたのに、ごめんなさい…。