しかし今は、加菜恵の気持ちがわかる。

加菜恵は自分の夢が明確で、強く願ってるから、倉元が支えでもあった筈。

離れたら、不安でもあるよね。



「心は繋がってるんだ。前を向いて、夢に生きるんだよ」



「う…うぅ…っ…」



加菜恵は由斗に抱き着き、頷きながら声を上げて泣く。

いつもは大人びてる加菜恵が、何だか可愛くも見えた。

加菜恵なら大丈夫。

寂しさ越えられる。

倉元と加菜恵なら、ね――…。