夜、兄貴が帰宅し、由斗の怪我の具合を聞かされた。 どうやら、2チームに別れて練習試合をした際、バッテリーを組まされた2年生と正面衝突をした時に、腕を強打したらしい。 甲子園への出場にも関わる為、病院へ教頭と行ったみたいだけど、問題はなく、打撲だけ。 「そっか。良かった…」 「悪かったな。ちょっとオーバーに言い過ぎた」 素直に謝る兄貴に、私は何も気付かなかった。 兄貴は由斗の異変に、気付いてたのに。