「花音。おかえり――…」



その時、後ろから、恐怖を呼び覚ます声が聞こえた。

身体の震えを堪えながら、後ろを向く。



「――ッ…」



まだ捕まってない事は、わかってた。

警察から、連絡も着てないみたいで。

忘れようとした、あの忌まわしさ。



「パパ、疲れてるんだ。癒してくれよ。パパだけじゃなく、友達もな?」



「…っ……」



自宅前にある、街灯もない細い路地から、2人の男が現れた。