『良いんだ、生きてるなら』



「どういう事…?」



『新太君から聞き出した。思い詰めた顔してたし』



…新太…。

でも、倉元からで良かったかも知れない。

由斗や加菜恵なら、何も話せなかったと思うから。

新太とは、あの夜から話してないけど。

嫌な声を聞かせちゃったよね。

…謝らないと…。

倉元は自分の近況だけを話して、電話を切った。

由斗と加菜恵の事は、私の気持ちを察してるかのように、話さなかった。