「花音ちゃん、煮しめ作ろうか」 「うん。私、切るよ」 お祖母ちゃんの家へと来て、1週間が過ぎた。 だいぶ、精神的にも落ち着き、お祖母ちゃんを手伝うようにもなった。 畑の草むしりをしたり、料理をしたり。 窓拭きに廊下の雑巾がけも、毎日の日課になりつつある。 「電話だね。出てくれる?」 「わかった」 濡れた手を拭き、電話の元へと走った。