「花音…」



加菜恵が私の手を掴んで来た。

今まで、キャプテンの倉元を、支えて来た加菜恵。



「お疲れ様、加菜恵」



「違うわよ…。あの2人が、頑張ってたからよ……」



本当に、最後の時間。

もう、倉元と由斗は共に闘う事は、無くなると思う。

悔いないよう、2人だから出来るプレーで、終われますように。

倉元は深呼吸をし、バッターボックスへと入った。