失点は許すまいと、由斗は塁には出させない。



「3アウト!チェンジ!」



「よーしっ!」



由斗は完璧に抑え、チェンジになった。

倉元がガッツポーズを決めながら、由斗と肩を組んでベンチへと戻る。

痛みが少し出たのか、アイシングを始めた由斗は、タオルで汗を拭いながら、順番を待つ。

最後にもう1発、ホームランを打って欲しい。

甲子園で叶わなかった事を、ここで。