「竜也、新太は何時に帰って来るの?」



「18時には来るさ。お袋も、今日は早く帰って来てくれるしさ」



「10年以上も、我慢させたわね…」



お姉ちゃんの何気ない一言に、私も兄貴も頷く。

兄貴と買ったプレゼント、バスケットシューズの入った水色の袋。

…早く、渡してあげたい。



「ほら、のんちゃんに」



「そうだったわね」



「何?」



沈黙が広がってたリビングに、お姉ちゃんと慎吾さんの声が響いた。