「靡く男が好きなんですよね?
残念ながら、由斗は靡いてないみたいですけど」



「――そんなのこれからじゃないッ!!」



あまりに必死な態度に、私は呆れ、黙る事にした。

ここまで来たら、由斗が言ってくれないと。

ソファーベットに座る倉元の隣に腰を下ろし、首を回してポキポキと鳴らす。

加菜恵に肩を叩かれた由斗は、重い息を吐き捨てた。

そして、紅葉さんを見た。