「お前これからデートか?」 「当たり前じゃん!そっちこそ莉子とデートでしょ?」 「まぁな」 「まぁ少しは莉子に優しくしてあげなよ。彼女なんだから…」 「おう。じゃあ行くわ」 そう言うと、拓哉は人混みの中に消えていった。 さっきから心臓の音がうるさい。 止まれ、止まれ。 そう自己暗示をかけてもダメ。 私が好きなのは優樹なんだから。 …どうして どうして優樹じゃなくて拓哉が助けるの? 神様はいじわるだ。