・・・なのに、水筒がここにない



ここに置いたはずなのに?

どこに置いたっけ?



「お前が探してるの、これか?」



後ろから聞こえた、男の声



「・・・何でアンタが私の

 水筒を、普通に持ってるの?」



雅弥が蓋を開けて私に差し出す



「喉渇いててさ、ちょっともらった」



「・・・最悪」



差し出された水筒に口をつける



「・・・関節キス」



「お前が言うか!?

 自分が飲んだのが悪いだろ」



「いや、俺は気にしないけど・・・」



気にしないのかよ・・・



「まぁ、次の試合も頑張れ」



「・・・話、急に変わったけど。

 優勝するから見ててよ?」