「なに、その言い方。

 どういう意味なの?」



怒りに満ちた目で

私を睨む夏輝



あぁ・・・

イライラする



「あの子、下に兄弟がたくさんいるの。

 両親は仕事だから妹たちの面倒は

 全てあの子がするの。

 練習に来たくても来れないんだよ」



「・・・そんなの、知らなかったし」



「いいんじゃない?

 別に、大会でないから

 夏輝には関係ないんでしょ?」



「・・・・・・・・・・・・」



「練習しなくていいの?

 先生に怒られるよ」



夏輝を無視して練習を始める



「・・・私、あの子に謝ってくる」



サックスを置いて部屋を出ていく



「・・・メンドクサイ奴」