それだけ言って、部室を出ていく先生



「・・・最悪」



「美弥、何怒ってるの?」



夏輝がサックスを持ったまま

私のところに来る



「・・・いくら先生でも

 あの言い方は酷いと思わない?」



「そうかな?

 そもそもあの子が練習に

 ちゃんと参加しないのが悪くない?」



「・・・・・・」




「・・・私、変なこと言った?」



「仲間でしょ?

 その言い方はないんじゃない?」



「・・・別に、あの子大会に出ないし

 いても、いなくても変わらないよ」



「・・・夏輝って、冷たい人間

 だったんだね?失望した」



「・・・は?」



「練習に来たくても

 来れない子だっているんだよ

 それがわからないなんて

 幸せだね?」