「もうすぐ大会ってことは、

 あなたも知ってることですよね?」



知ってますよ。

行けるはずの大会でしたから



「やっぱり、アナタがいないと

 どうすることも出来なくてね・・・

 もう一度、吹奏楽部に入ってくれない?」



「・・・先生は、
 
 一度やめた気まずい部活に

 わざわざもう一度入って、

 先輩の痛い視線を感じながら

 大会に出ろ。と言いたいのですか?」



嫌味を込めて、先生に言う



「トランペット奏者がいないのよ。

 みんなバラバラでまとまりもないし・・・

 私にはどうすることも出来ないわ」



「自分にできないことを

 私に押し付けないで下さいよ。

 私はもう、吹奏楽と関係ないです」



「大会の時だけでいいから!

 練習も出なくていいし、先輩には

 私から事情を話しておくわ」



お願い、とでも言うように

頭を下げられる