今尚悔し紛れの罵声が響く射的屋を後にする夕城夫妻とラルフ。

「さて…俺は腹ごしらえでもしてくるか」

気を利かせたのか、ラルフはそれ以上翡翠達と行動を共にする事はない。

「ラルフ先生、これ有り難うございました」

大事そうに抱えているテディベアの礼を述べる奥方。

ラルフは振り向く事なく、片手だけ軽くあげて人混みへと消えていった。