ネコは魔界の王子様!?

てか、何、本当に冗談だったの!?


びっくりしたじゃん~。


あたしがほっと息をつくと、ヴェルがあたしを見て、クスクスと笑い出した。


もう、あたし一人で焦って、恥ずかしいじゃん。


「唯ちゃん、本当におもしろいね。気に入った」


楽しそうに言うヴェル。


その笑顔は、無邪気なようで、でも、何かを企んでいそうな含みのある笑顔にも見えた。


ヴェルは、イスから立ち上がって、あたしの方へ来た。


その瞬間、ニッと笑って……


―――チュッ


………………。


  は!?


ヴェルはあたしの頬にキスをした。


あたしの頬が真っ赤に染まる。


な、なんで!?