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「ねぇ、ケーキ屋さんあるよ!行こっ」


あたしは美加の腕をぐいぐいと引っ張った。


「あっ、ちょっと唯っ」


そして、あたし達はケーキ屋さんに入っ
「おいっ、遊びじゃないんだぞ」


後ろから怒鳴られる。


あたしは、振り返るとレオを見た。


「え~、いーじゃん。……ケチ」


最後の方は、聞こえないように小声で言った。


けど、レオにはバッチリ聞こえていたようだ。


レオは目を吊り上げていた。


恐るべし、魔界の王子。


「でもさ、結局ぶらり旅みたいなもんじゃん」