「開けていいよ~」


あたしは目を開けると、目の前の光景に目を見張った。


「え、もしかして、ここ、お城」


「正解。ヴェルの魔法で来たんだけどな」


そう言ってレオンはあたしに抱きついた。


「抱きつかないでよ」


「別にいいだろ?」


レオンはご機嫌そうに笑った。


なにがそんなに嬉しいのだろう?

会ったときからレオンはそうだった。


あたしには終始笑顔を向けてくれる。


別に、嫌ってわけじゃないけど、なんとなく気になった。