「ここは正真正銘魔界だ。遠くに見える城が俺の住んでいる城だ」


レオは得意気に胸を張って言った。


「へぇー、レオって本当に王子様なんだ」


何回も聞いていたけど、ここに来ると改めて実感する。


「じゃ、行くよ~。目、閉じて」


ヴェルがあたし達の様子を見てから言った。


「行くって、どこへ?」


「ナイショ~」


気になったが、行けば分かると思い、ヴェルの言うとおりに目を閉じた。


またあの浮遊感がして、数秒後―――……。