「あれ?まだ行ってなかったの~?」


美加を送ったヴェルがいきなり現れた。


どうやら、お得意の瞬間移動で来たらしい。


便利だな~。


「これから行くところだよ」


あたしが言うと、レオにまたまた睨まれた。


まるで、お前のせいだと言わんばかりに。


分かってますよ、あたしのせいだってことは。


「じゃ、行こっか。お手をどうぞ?」


ヴェルがイタズラっぽく微笑んであたしの手を取った。


レオンはあたしの隣に立つ。


レオが前を見据えたような顔をすると、あたしの肩に飛び乗った。


そして、あたしはみんなと顔を見合わせて、高らかに言った。


「行こう!いざ、魔界へ!!」