「この森全体に魔界に気配がする。もしかすると……」


レオがそこで言葉を止めた。


レオは口を大きく開けて、固まっていた。


「レオ?」


返事がない。


さらに、ヴェルとレオンを見ると、この二人まで一点を見つめたまま固まっていた。


あたしは美加と顔を見合わせる。


美加もさっぱり分からないらしい。


ふと、視線の先を追ってみる。


大きな木の幹に大きくて黒いものがある。


よくよく見てみると……。