レオンが勢いよく開けたらしい。


レオンは、あたしの腕を引っ張り、あたしを背中に隠す。


「ヴェル?唯に何したの?」


もしかして、レオン……怒ってる?


声が低い気が……。

「べっつに~?何もしてないよ?ね、唯ちゃん」


ヴェルは余裕そうにウィンクをする。


ちょっと、挑発してどうするのよ!?


あたしが二人のケンカを止めようと、息を吸うと、レオンよりも一段と低い声が飛んで来た。


「おい。いつまでやっている。唯が困っているだろう」


レオが二人の間に入り、言い放つ。


空気がしんと静まり返った。


と、いきなり空気が穏やかになる。


え?何?