「きっと真沙美ちゃん楽しんでくれると思うよ。ちなみに何の小説読んだの?」 「えっ、あーっと」 読んでもいない小説を咄嗟に思い出すことなんて出来ない。 「あっ、題名は覚えてないんですけれど、新撰組が出てきました」 そう、原田左之助が目の前に。 「新撰組かぁ。いいね。土方歳三(ヒジカタトシゾウ)が好きだなぁ、武士って感じだからね」 大橋様はご機嫌そうにグラスに入った焼酎を飲み干した。 「真沙美ちゃんは?誰が良かった?」