「俺もそうだからな」 「えっ?」 「一人が楽だ、心地好い、そう思っていた。いや、今もそう思ってる。だけどやっぱり、誰かと話したくなる時が来るんだよな。寂しくなるんだろう。だからこうしてここに来ておまえと話してるんだ」 ブランデーの入ったグラスを見つめながら話す石川様。先程の豪快に笑う姿が嘘のように急にしんみりしていた。 「何かありました?」 「ん?」 「こんなに饒舌に話すなんて滅多にないでしょう?」