「お願いします」 「さすがナンバー1だねぇ。少し休んでも、お客様すーぐ来るんだから。よっぽど枕営業がうまいんだね」 隣の席に座ってセットしていた化粧の濃い女の子が、ちくちくと嫌味を言ってきた。 「ふふっ、ありがとう」 嫌味なんて気にしない。この世界じゃ当たり前だから。 「あはは。ナンバー1には嫌味なんて通じないか」 「あれ?嫌味だったんだ。ってか誰?」 「なっ」 顔を真っ赤にして、セット中の女は黙った。本当はこの女を知っている。