幽霊の思い出話


「良かったですね。さっき一人で喋ってるように見えたんで、疲れてるのかと思っちゃいましたよー。何かありました?」

「平気。なんでもないから。それより、神木さんにお土産渡しておいたから二人で食べてね」

 そう、この愛華がオーナーの彼女。

「ちょっ、もうっ、真沙美さん、そんなこと店で言っちゃ駄目ですよ。・・・ばれたらどうなるか」

 眉を八の字にして彼女は懇願してきた。

「ごめん、ごめん。分かってるって。うらやましいから、ついついからかいたくなるのよ、ごめんね」