「真沙美さんっ」 ふいに肩に手をかけられ驚き、咄嗟に身を強張らせた。 「あっ、ごめんなさい。驚かせちゃいましたね」 小さく舌を出しながら、両手を合わせていた。 「あ、愛華(アイカ)。おはよう」 「おはようございます。旅行どうでした?」 にこにこと話しかけてくる彼女は、私より歳下の愛華。私を慕ってくれる笑顔の可愛い女の子。よく声をかけてくれる。 「旅行良かったよ。久しぶりにゆっくり出来たしね」 幽霊に出会ったと言ったら、愛華はどんな反応をするだろうか。