幽霊の思い出話


「おっ、出たか。って真沙美、なんでそんな格好で出てくるんだよ」

「裸見られるよりマシよ」

 下着姿のまま左之の前に出ると、咄嗟に後ろを向いた。さっき裸見に来たくせに、下着を見て照れるなんて変なの。

「携帯、携帯」

 携帯を手にとり時間を見ると、家を出る時間を少し過ぎていた。店長から何度も着信が入っていた。

「やっばい」

 ドライヤーでさっと髪を乾かしたあと、慌ててクローゼットからドレスを取り出し着替えた。今日はこのまま向かおう。