幽霊の思い出話

 準備をし、ホテルをチェックアウトし、車に乗り込んだ。

「さて、京都に行きますか」

「あぁ」

 昨日とは違って、左之の表情は落ち着いていた。でも、昨日の様子を見ているからか、今日も話してほしいとは言えなかった。

 車を動かし始めると、左之は外の様子を見ていた。静かな車の中は、少しの段差すら気になるほど静かだった。

 お互い何も話さない。でも、話さないからと言ってこの沈黙は苦痛ではなかった。居心地の良い静けさだった。左之はどう思っているのかわからないけれど。

 天気は良好。視界も良好。運転好きの私には最高の日だ。