しばらく宴会が続いた。普段から飲んでいるからか、芹沢さんはなかなか酔っぱらう様子がなかった。平間さんや平山さんは、少し呂律が回っていないような話し方だったが。

 ふと隣にいた総司を見ると、顔色が良くなかった。青白く、表情がない。

「おいっ、総司。大丈夫か?」

「え?ははっ。何言ってるんです?大丈夫ですよ」

 そう言いながら酒を口に含んでいたが、すすんでいるようではなかった。

「酔ったのか?」

「そうかもしれない。ちょっと飲むのやめときます」

 手にもっていた徳利を置き、目を瞑った。

「外の風に当たってきたらいいさ」

「そうします」

 ゆっくりと立ち上がり、少しふらつきながら座敷から出ていった。