幽霊の思い出話

「だいぶ飲んでますね」

 芹沢さんにそう声をかけると、まだまだだと言わんばかりに酒を一気に口に含んでいた。

「新八さん、左之さんこちらに」

 総司が手招きをして、俺たちを呼んだ。

「遅かったですね」

「あぁ、ちょっと斎藤さんと話してた」

「斎藤さんは気付かれないための、通常巡回の方でしたね」

「平助もだったよな?」

 そうそう、と新八が頷いた。誰がいるのかまわりを見渡した。

 芹沢さんのまわりに近藤さん、土方さん、山南さん、平間さんに平山(ヒラヤマ)さんたち。馴染みの芸者たちも居た。