幽霊の思い出話


 息の根を止めた・・・か。なんて物騒な話なんだろう。

 でも、左之はきっとこの時代に暗殺なんて当たり前って言うんだろうな。

 この刺客はきっと新撰組の近藤派の人たち。左之も入っていたの?ふつふつと疑問が沸き上がってきた。

 でも、これ以上は読まなかった。真実は左之の口からやっぱり聞きたかったから。

 つないでいたサイトを閉じ、左之を見た。笑顔で、空を仰ぎながら何か話していた。少しずつ赤く広がる空がとても綺麗だった。

 腰かけていたベンチから立ち上がり、左之の元へ歩み寄った。

「左之」

「真沙美。待たせて悪いな」

「ううん、いいよ。まだ話してて。私横で聞いてるから」

「そうか。ありがとう。でもそろそろ暗くなるから、切り上げようと思ってたんだ」

 そう言いながら、左之は立ち上がった。